「人をお金に依存させる」ベーシックインカムの問題点と貧困解決の重要点=田中優

熱狂的なファンを持つ田中優さんのメルマガでのお話。

読んで最初に思ったことは「田中優流の生き方を押し付けられている気がする」ということ。

私は田中優さんは好きで講演会にも行ったこともあり、取り組みや考え方は新しいなと思うこともたくさんありました。

ただ「田中優さんに依存している」というくらい熱狂的な人たちも多数知っています。

どうやら田中さんが言うことは「真に正しい」のだ。

さて、この投稿では稚拙ながら、少しだけでも反論をしてみたい。

極力端的に。


メルマガ中、前半にて以下のように述べられています。

『「ベーシックインカム」という考え方があって、「生活に必要な一定額は国が全員に対して負担する」という制度がしばしば論議される。それ自体は貧しくて生きられない状態を解決する上で良い制度ではあると思う。
しかし現に生活保護法があって、最低生活は確保されているのだから、ベーシックインカム制度はその上のレベルの生活を保障するのでなければ意味がない。つまり「無理に働かなくても生活できる」レベルを維持できる仕組みとなるはずだ。
ここで起きるのは、「働かずに慎ましい生活を送る人」と「働いておカネを持った人(しかもベーシックインカムの実質的な負担者)」との二分化だ。』

とあります。


まず、BIは「貧しくて生きられない状態を解決する上で良い制度」という前提が違います。

それはいわゆる大きな副作用の一つであって、そのためだけにBIが叫ばれているわけではありません。むしろその考え方がBI実現を後退させていると言ってもいいほどです。

詳しくはBI実現を探る会さんで

http://bijp.net/data/article/145


そして「しかし現に生活保護法があって、最低生活は確保されているのだから」とあります。

田中優さんは立派な方なので必要がないと想像してしまいますが、「最低生活の保証はしています」という政策が、真に生活を保証してくれているわけではありません。

生活保護という制度は、ご承知の通り自治体や窓口・支援者や働きかける人たちによって受給できるかできないかも違い、また本人の意思によって辞退される方も多数いらっしゃいます。

また生活保護法では最低生活は確保されているはずが、いわゆるワーキングプアも問題となっています。


さらに『つまり「無理に働かなくても生活できる」レベルを維持できる仕組みとなるはずだ。』とあります。

一部のBI論者の方はそれを第一義にしていらっしゃいますが、田中さんの思い込みかなと思います。

BIは「無理に働くなくても生きるための手段」ではありません。


最後に『「働かずに慎ましい生活を送る人」と「働いておカネを持った人(しかもベーシックインカムの実質的な負担者)」との二分化だ。』とあります。

大袈裟ですが、その二分化した生き方しかないんでしょうか・・・・多様な社会の否定に聞こえてきます。

私はBIは多様な社会と人間関係の基礎になる制度ではないかと思います。


さらに、田中さんはこう締めくくっています。

『ぼくはおカネに依存する部分を減らしていくことこそが、今後もさらに進行する貧富の格差への対抗策になると思う。』

お金に依存しているから貧困だということを聞くと、貧困とはそんな生半可なものじゃないなぁという感想を持ちます。

はっきり述べると「どうしようもない人」はいるもので、どんな人がどれだけ支援しても応援しても、気を遣っても手助けをしても、体を駄目にしようが家族と縁を切ろうが、周りに迷惑をかけようが、お金があろうがなかろうが、どうしようもないのです。

私の父はそうでした。


「合理的な生活かどうか」は全くもって関係ない人たちがいて「その人たちに合理的な暮らしをしてもらうほうがBIより良い」というのは、支援される側からは余計なお世話そのものとなります。このボタンの掛け違いが支援の現場ではネックとなっていると思います。

(具体的には最貧困女子などをご覧になるとわかりやすいかと思います。最貧困と言われる現場でのセーフティネットは、風俗店そのものであり彼女たちの居場所であり頼れる唯一の繋がりであったりするようです。支援する側される側の親和性の問題でもあるようですが。amazonへ

またそれが貧富の格差への対抗策になるとは思えません。

それよりも様々なNPOや支援する側の理解と充実、失われた機会や環境の再提供、様々な訓練といった地道な方法が今は有効ではないかと思います。


私の父が田中優さんのようだったらどれだけ幸せだったかと比べてしまえば悲惨ですが、それはそれでしかありません。

田中さんがおっしゃるような対抗策が貧富の格差の抑止につながるのならいいなぁとも思います。

そういう生き方を選んでも劣等感もなく幸福度も高く、豊かに、平和に健康的に暮らせるのなら申し分ありません。


最後に、

『「おカネは自由を得る道具ではなく、不自由さの指標なのではないか」』

とありますが、もともと合理的な暮らしを望む私としては、その不自由の差の指標に手を加えるべきだと思います。


その方法がBIではないかと、今は思っています。



「「人をお金に依存させる」ベーシックインカムの問題点と貧困解決の重要点=田中優」

MONEY VOICEより

2015年12月10日

著者:田中優『田中優の‘持続する志’(有料・活動支援版)』(2015年8月31日号)より

※記事タイトル、太字はMONEY VOICE編集部による転載

http://www.mag2.com/p/money/6664

以下記事まとめ


「人をお金に依存させる」ベーシックインカムの問題点と貧困解決の重要点=田中優 1/4

http://www.mag2.com/p/money/6664

お金に依存しない「節約」のアプローチ(1)通信費、保険etc. 2/4

http://www.mag2.com/p/money/6664/2

お金に依存しない「節約」のアプローチ(2)~光熱水費etc. 3/4

http://www.mag2.com/p/money/6664/3

貧困にならない「もうひとつの暮らし方」~自給のアプローチ 4/4

http://www.mag2.com/p/money/6664/4